皆様はチップ(tip)という習慣をもちろんご存知だと思います。
ホテルやレストランといった場所で、代金とはまた別に従業員のサービスに対して支払われる少額のお金のことですね。
日本ではあまり馴染みのないこの習慣ですが、主にアメリカやカナダ、ヨーロッパ諸国ではレストランやカフェでもチップの習慣があります。例えばドイツでは、17.50ユーロの食事代にウェイターへの「チップ」を上乗せして、きりの良い数字で支払うことがよくあります。レストランなどでは大体10%から15%程度は上乗せして払うのが普通ですね。最近はクレジットカード支払いの時にも自分でTipの金額を入れてから支払う事もあります。海外によく旅行されることがある方はご存知かも知れませんね。
では、ニュージーランドでのチップ制度はどうなっているのでしょう。
基本的にはニュージーランドではチップは必要ありません。
タクシーやホテル、レストランなどでも必要ありません。
しかしポーターに特別に物事を頼んだり、予想以上のサービスを受けたり、レストランで素晴らしいサービスを受けた時などはチップをあげても問題ありませんし、頂いた方は非常に喜ぶ事は間違いありません。
一方、最近このようなニュースがありました。
もともとチップの習慣のないニュージーランドですが、近年ウーバー(Uber)と呼ばれるタクシードライバーにお礼として任意でのチップを渡すケースが増えてきているそうです。
それについて、ウーバーオーストラリア&ニュージーランドの代表は「運転手が頼んだ以上のところまで走ってくれたときやサービスが良かったとき、今までなら感謝を表す手段がほとんど無かったのが、これからはチップという方法をとることによって運転手にも利用者にもさらに気持ちの良いサービスを提供していけると思います」と言い、今後のチップ制度の発展に好意的な姿勢を示しています。
それでは、ニュージーランドは「チップを払う国」になるのでしょうか?
それに待ったをかけたのが、ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相です。
アーダーン首相は先週、ニュージーランドがこれからチップを支払う国になっていくのかどうかを問われ、「個人的な意見」と前置きした上で「基本的にニュージーランドにチップの習慣はない上、サービスに対する報酬はすでに給料に含まれているべき」と返答しました。
「我々には元々チップの習慣がありませんし、そもそもニュージーランドの人達はみな公正な考えをしていると信じています。チップにあまり頼りすぎるべきでないという考えが私たちには根付いているはずです」というのが首相の意見です。
ウーバー代表のような意見もありますが、基本的にはニュージーランドでは今後ともチップは必要ないと見て大丈夫なようです。
参考: