小学校教師 ただ今修行中
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小学校教師
日本語教師や小学校の先生になるための勉強から、 NZの教育制度のすばらしさを感じました。
恒吉 友紀
1980年生まれ。千葉県出身。
幼い頃から、外国人と接する環境にあり、海外に興味を持ち、中学校卒業後イギリスへ渡る。高校で出会ったキウィの先生の影響から97年ニュージーランドに来る。そして、高校卒業後、AUTやNorthland Polytechでビジネスやコンピューターについて勉強した後、Whangarei High Schoolで日本語教師として働き、02年6月よりAuckland College of EducationのBA of Primaryに通う。
オークランドにあるAuckland College of EducationのBA of Primaryでニュージーランドの小学校の先生になる勉強をしている恒吉友紀さんは、幼い頃から海外に興味があったという。
「私の両親は、小学生の頃、アメリカから留学生をホームステイとして受け入れていました。また、夏休みなどを利用して、いろいろな国の人が集まるキャンプに参加する機会もありました。そんなことから、自然と海外に興味を持つようになり、小学校4年生の時にはサイパンに行き、ホームステイも体験しました。その後、中学校に入学して、将来の進路について考えたとき、このまま日本で過ごして、他の人と同じように高校に進み、大学、就職と絵に描いたような進路を取る事に疑問を持ちました。それまでに異国の人たちに出会ったことで、もっと違った世界があるのではないかと思ったのです」


中学校を卒業した友紀さんはイギリスに留学する事にした。

「両親を説得して、イギリス行きを決めました。日本で他の国の人たちと接していたときから思っていた「言いたい事が言えない」「もっと英語が話せたら」というそれまでの悔しい思いをなくすために、まず初めに英語学校に通いました。また、イギリスで高校に通うという目標もありましたのでコミュ二ケーションスキルのアップ、英語力のアップは必要不可欠でした。
ですが、長期で家を離れた事のない私は、すぐにホームシックになりました。日本で思い描いていた、海外で勉強する事と現実では大変ギャップがありました。憧ればかりが大きくなっていて、海外で生活することを甘く考えていたのだと思います。
今まで体験した事のない周りがすべて英語の世界で自分が孤立していくかのように思え、さびしくなっていきました。そこで、日本に電話をかけるために、毎月もらう僅かなお小遣いを貯金しました。初めは、電話のかけ方もよくわからず、やっと電話が通じたときには涙が止まりませんでした」

やっと通じた電話で友紀さんのお母さんは「自分が言ったことには責任を持ちなさい」と突き放したという。さびしい気持ちを我慢して勉強に打ちこんでいった結果、次第に環境にも英語にも慣れ、その後、イギリスで高校に進んだ。あるとき、高校で友紀さんは、ニュージーランドに興味を持つキッカケを持つこととなった。

「イギリスの高校には、ニュージーランド人の先生がいました。ニュージーランドは、どこにあるのか、自然が素晴らしい事、のんびりした雰囲気だという事など、いろいろな話をしてもらいました。イギリスでの生活にも慣れ、ホームシックになる事もなくなっていた私は、もっと他の国も見てみたいという好奇心に駆られたのです。ですから、高校の途中ではありましたが、しばらく悩んだ後、ニュージーランドに行く事を決意しました」


97年、友紀さんはニュージーランドに来た。
「イギリスからニュージーランドの高校に移って来た当初は、大変戸惑いました。例えば、以前通っていたイギリスの学校は、お城のような建物でした。海外ではそれが当たり前だと思っていた私はニュージーランドの学校の建物を見て、これが学校なのかと思ってしまいました。また、イギリスでは、全寮制であった事もあり、外出するにも許可が必要なほど厳しい規則がありました。しかし、私が通ったニュージーランドの高校では、「これは、やってはいけない」という規則も特にありませんでしたし、ホームステイでしたから、大変自由な環境になったと感じました。
その後、高校を卒業してから、コンピューターやビジネスの勉強をして、ニュージーランドで大学進学を考えていました。また、その頃、フラットメイトから高校で日本語教師をしてみないかという誘いがありました。進学を考えていた学校の入学まで時間があったことと、人に教えるということに興味があったので引き受ける事にしました」

ニュージーランドでは、日本語を教えている小・中・高校が全部で500から600校程度あるという。そこでは、ボランティアや正式な職員など、形態は異なるが、日本人が日本語を教えている学校も少なくない。
ニュージーランド人にとって、日本語は、人気科目のひとつで、ニュージーランドは、日本語を学んでいる人と全人口の割合が世界でも5本の指に入るほど多い国だという。

「以前、高校に通っているとき、日本語の家庭教師をしていました。同年代のキウィの女の子に毎週日本語を教えていました。そのとき感じたことは、私達、日本人は当たり前のように日本語を使えるが、すべての人が日本語を教える事ができるものではないということでした。というのは、教えているときに、このような質問がありました。いくつかの色があります。例えば、青、赤、黒、緑などです。それらの色は、形容詞では、青い、赤い、黒いと言うことが出来ます。ですが、緑は、緑いとは、言いませんよね。日本人でも、なぜ、緑が緑いと言う事ができないかを説明する事は大変難しいと思います。
日本語を習っているキウィは、その「なぜ」を知りたがっているのです。日本語の文法を勉強しているのです。ですから、教えるのにも正確な文法の勉強が必要だと思いました。
高校で日本語教師の話があったときも、興味があり、経験のため挑戦しました。生徒の質問にうまく答えることが出来ないときもありましたが、それでも日本を理解してもらおうと努力しました。楽しく学んでもらえる様に、なるべく、授業では遊びの要素を取り入れて、丁寧に教えるように心がけました。というのも、日本語は選択授業になっていて、クラスの中でも、生徒のレベルがそれぞれ違うのです。人によっては、かなりしゃべる事が出来る子もいれば、まったくわからないような子もいるのです。ですから、それぞれのレベルを理解して、時間をかけて、楽しく勉強できるようにする必要がありました。
漢字を教える時には、絵を書いて教えました。日本人であれば、日本の小学校で習ったと思いますが、漢字がどのようにして成り立っていったかを絵で説明するのです。例えば、田という漢字は、田んぼの絵を書いて、川という漢字は川を、手は、手の絵を書いて、順番に変形していき、漢字になったのだということを説明しました。絵を書いて見せる事でただ単に覚えてもらうというやり方よりは、イメージとして頭に入りやすいと感じました。高校時代に初めて人に教えることの楽しさを知ってことで、Auckland College of EducationのBA of Primaryに進学しようと決めていた私は、この時の日本人教師の経験でその決意がますます固まっていきました。
私が教える事によって、今まで点数が悪かった生徒から成績が上がったとか、できたよとか笑顔で報告されることがあったのです。その笑顔を見て、素直にうれしくなれました。教える事のやりがいみたいなものを感じる事が出来たのです」


友紀さんが進学を決めたAuckland College of EducationのBA of Primaryはニュージーランドで小学校の先生になるための勉強をする学校である。

「入学する際にいくつかのテストがありました。また、今までどのように過ごしてきたかなどをエッセイとして提出しました。最後には、面接であなたはどのように教えたいですか?などといった教育に対する考えについても質問されました。
ニュージーランドで先生になるための学校ですから、英語は当然必要です。外国人、特に英語を母語としない人がこの国で教えようとするとき、何よりも問題になるのは語学力のはずです。やはり教師というのは常に生徒に細かくわかりやすく説明しなければなりませんし、英語が流ちょうに話せない教師は、職場でも評価されないし、生徒にも尊敬されないと思います。案の定入学したら、日本人はもちろん、他のアジアの人ですらいませんでした。キウィですら、入学するのは難しいと聞きました。
ニュージーランドの教育制度は日本のものとは少し異なります。幼児教育が終わった子供は、5歳から10歳までの子供を対象にした6年制の小学校に進み、卒業後は、11歳から13歳までの子供を対象にした日本の中学にあたるインターミディエートスクールに進学するか、または5〜13歳までの小中一貫教育を行うフルプライマリースクールへ入学します。
学年の名称には「Year」が使われ、プライマリースクールがYear1〜6、インターミディエートがYear7・8、そして中等教育機関であるセカンダリースクールがYear9〜13と続きます。以前は、Year7?13はForm1?7と呼ばれていたことから、現在でもその名称が使われることがあります。また、小・中学校とも4学期制で、1年のスケジュールは1月末または2月上旬に始まり、12月に終了します。授業は国語(英語)、算数、社会、科学、音楽、美術、体育などの必須科目があります」


授業が始まって、日本でも最近クローズアップされる「個性を伸ばす教育」をごく自然に実践できているニュージーランド教育の考え方に直面した。
「授業は国語(英語)、算数、科学など全ての教科に渡って、それぞれの教科についての教科知識はもちろんのこと、生徒に教えるための方法を学びます。
例えば、日本の学校の国語で、この文章から作者はどのように考えているか?といった問題に答えたことがあると思いますが、ニュージーランドでは、次いで、あなたはどう思いますか?というように問われるのです。また、ひとりの子が、誰かを叩いたとします。先生は、「何をやっているの?」と叱るのでなく、「あなたのその行為は正しいと思いますか?」と叩いた子に考えさせるのです。ただ、答えを教えたり、怒ったりはしないのです。ひとりひとりに考えさせ、答えを導き出させる様に指導するのです。
また、学校の先生は、もし、生徒の中で特に絵に興味がある子がいれば何人かの生徒を募集し、学校に絵画講師を呼び、教室をオープンにして安い授業料で習えるように配慮したりと、各学校で通常の授業だけでなく、生徒の指導に対して責任と柔軟性を持っているようです。
授業の中で実際に小学校に行き、実習を行うことがありますが、それらを通しても人に教えることの興味は尽きません。例えば、私が授業中、注目してもらいたくて、生徒に「ペンを置いて」と言ったのですが、素直に聞いてくれなく、困っていました。そこで先生がアドバイスを与えてくれ、試してみたのです。すると、言葉ひとつで、生徒たちは、思いもしない行動を取ったのです。どのようにしたかというと「頭に手を乗せて」という言葉を発しただけです。その言葉を聞き、全ての生徒が、手に頭を乗せると同時にペンを離していました。
勉強すればするほど、子供たちに教えることが面白くなっていきます。また、一方で、最近ニュージーランドには、日本を含めて、アジアの国々から多くの留学生が勉強するために来ています。ですから、私自身、中学校から海外で生活している経験から、将来ニュージーランドの教育の場で彼らのような留学生にも役立てるような仕事が出来ればと思っています」
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