ファッション ただ今修行中
E-CUBE
この国でファッションの仕事に就きたいです。
川崎和加奈
1982年生まれ。静岡県出身。2000年英語習得のためニュージーランドに来る。現在、Auckland University of TechnologyのDiploma in Fashion and Designコースの2年。シンプルで落ち着いた感じのデザインを好み、NZのファッション・デザイナーZambesiが好きだと言う。学校の課題であるスーツ一式をデザインから作成中。

カレンウォーカーなどの活躍により、ニュージーランドのファッション・デザインのレベルは世界で注目を集めるようになって来ている。川崎和加奈さんはAuckland University of TechnologyのDiploma in Fashion and Designでファッション・デザインについて勉強していた。
私は高校卒業後の2000年4月にオークランドに来ました。家族と海外旅行でアメリカや韓国などを旅したことはあったものの、それまでひとりで海外に暮らすことなどありませんでした。ですが、中学、高校の授業で興味を持った英語が好きになっていきました。洋画や洋楽を好んで見聞きするようになったのもその頃からです。また、高校の時に姉がオーストラリアに留学したこともあり、漠然とですが海外に行ってみたいと思う気持ちが強くなっていったのだと思います。
 そして、高校卒業後の進路について両親と相談して海外留学をする決意が固まりました。候補地はいくつかあったのですが、ニュージーランドにすでに知り合いが留学していたことが両親の一番安心する材料となり、最終的にこの国に留学することに決めたのです。


最初の1年は英語学校に通った
当初、英語は、まったく何も分かりませんでした。聞くこともしゃべることもままならない状態でした。そして、英語学校を1年通った後は帰国を予定していました。
 ですが、時間が過ぎていくうちに英語学校を卒業した後もこの国に残って勉強したいという気持ちが沸いてきました。友達が出来たり、生活にも慣れてきていたせいもあったのでしょうが毎日が楽しかったのです。そのため、進学に必要なIELTSのスコアを上げるためにも必死で勉強しました。
 そして、進路について考えたとき、普段から街に出て、ウインドー・ショッピングをするのも、ファッション雑誌を見るのも好きだった私は好きなことを勉強したいと思い、ファッションについて勉強するための学校探しを始めました。


01年7月から半年間、Auckland University of TechnologyのCertificate in Pattern Makingのコースに通うことになった
週4日のペースで授業がありました。クラスは20人ほどでニュージーランド人、中国人などの国籍バランスでした。ファッションに敏感な10代後半から20代前半の女性でほとんど占められていました。
 学校では服づくりに必要な知識を学びました。
 スカート、ジャッケット、パンツなどを作るための元となるパターンと呼ばれる型紙の基本、ミシンを使った縫い方。また、ファッションに重要な要素である素材についても学びました。例えば、繊維、糸、織物、編地などの服飾素材の基本、繊維の種類、性質、取り扱いなどの衣服材料の基本です。そこでは、色彩の基本や素材表現、画材の使い方などを学ぶことによってデザイン画を作成するのに必要な知識も勉強しました。
 作品製作を通しながら、服づくりに欠かせない知識を身につけていきました。


半年が過ぎ、02年2月より、Auckland University of TechnologyのDiploma in Fashion and Designのコースに進むことにした
Certificate in Pattern Makingのコースでファッションの勉強にさらに興味を持った私はファッション業界への就職も視野に入れ、2年のコースに進みました。
 1年次はCertificate in Pattern Makingのコースと少し内容が重なるところもあったのですが2年間のコースでさらに深く進んだ内容を勉強しています。
 それは職業としての服づくりを実際の流れで取り組んでいくのです。
 職業としての服づくりは主として、デザイン画作成、パタンナー指示、トワルチェック、縫製仕様書の作成といった流れがあります。
 デザイン画作成は、デザイン画を描くこと。自分が創りたい服を二次元(平面図)で表現することです。服は三次元(立体的な)製品ですから、デザイン画において二次元で表現しても足りない要素は、注釈等を文字で第三者に理解させることが必要です。
 次にパタンナー指示とは服を作るため、デザイン画をもとにパターンを作る専門職「パタンナー」に型紙を作るための指示をするのです。パターンは完成イメージをもとに服を作る設計図のようなものです。場合によっては、デザイナー自身がパタンナーを兼ねる場合もあります。現在ではコンピューター・グラフィックスやCADなどによるパターンメーキングも普及しつつあります。学校でもコンピューターを使って勉強しています。
 そして、トワルチェックです。ドレーピングと呼ばれる立体裁断や仮縫いのとき、トワルと呼ばれる粗い未さらし生地を人体やボディーにあてて形を作り、それをもとに型紙を作成していくのですが、その状態を見て、服の完成形を想像し、不具合があれば、それをパタンナーに指示するのが、トワルチェックです。例えば、ポケットの位置の調整やボタンの間隔の調整など、デザイン画や自分のイメージと実物とのバランスを見て、修正をするなどして、その完成度を高めるための作業です。
 最後に縫製仕様書とは、生産に際しての作り方を指示する書類のことです。一般的にファッションといえば、ファッション・デザイナーがクローズアップされることが多いと思いますが、必ずしも全てのデザイナーが服作りのための工程を1人で行っているわけではなく、いろいろな役割の人が協力しているのです。
 授業では自分がデザインした服を型紙から作成し、自分でミシンを使って縫い、完成させます。


プロの現場に触れる機会もあった
昨年10月19日から24日まで開催されたロレアル・ニュージーランド・ファッション・ウィークには、スタッフとして参加する機会に恵まれました。ロレアル・ニュージーランド・ファッション・ウィークは毎年10月末に開催されていて、国内外からも注目されているファッション・イベントです。この数年の間に、何人かのニュージーランド出身のファッション・デザイナーが世界各地でブレイクしていることもあって過去最高の参加レーベル数を集め、開催されました。私はそこで参加デザイナーが作品を披露するキャットウォーク、つまりファッションショーの裏方としてお手伝いをしました。約20分間行われるショーの裏方として、モデルの着替えの手伝いなどをしました。
 裏では、会場にいるお客さんの様子はわかりませんでしたが、トレリス・クーパーがデザインした日本の着物から影響を受けた作品を見たり、日本人でただひとり参加していたファッション・デザイナー坂口さんの姿を見て、なんだか妙に興奮したのを覚えています。
 私の他にも大学やポリテクでファッションを専攻している学生が開催中に会場設営などでも裏方として参加していました。実際にデザイナーと言葉を交わしたり、ファッション業界の仕組みを感じることができ、とても貴重な体験をしました。
 また、授業で、シャネルやクリスチャンディオールといったブランドについてのファッション史を学ぶこともあります。ですが、ニュージーランドは南半球。世界のファッション・トレンド発信基地である、パリ、ミラノ、ニューヨークなどの北半球と比べて季節が逆になります。そんなことも影響してか、ニュージーランドのスタイルは個性的なものが多いと感じます。
 私は将来、のんびりとした時間の中で新たなスタイルを生み出しているデザイナーがいるこの国でファッション関係の仕事に就きたいと思っています。

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