ビザコンサルタント 英語の達人、その秘訣
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ビザコンサルタント
繰り返し聞き、繰り返し発音することは野球の素振りといっしょです。
松本 圭司
Director / Japan Link(NZ) Limited
兵庫県尼崎市出身。関西大学法学部法律学科卒。
NZ移住投資協会会員。英語の勉強は現在も欠かさないようにしている。社会人から、学生まで、環境や年代の違う人が集まりそれぞれの意見を交換する機会として、毎月、第一と第三水曜日に英語でのディベート・ディスカッションを開催している。これまで、捕鯨問題や携帯電話の普及のメリット・デメリットなどをトピックスとして取り上げている。
ニュージーランドで日本人のビザコンサルティングの第一人者である松本さん。英語が上手というのは相手に如何に自分の意思が伝えられるかが判断材料になるという。彼自身が行っている英語の習得方法は地道であるが、しかし、確実でもあると語ってくれた。
英語との関わり
 もともと、英語に漠然とした興味を持っていました。それで、大学では、英会話のサークルに入りました。そこでは英語で討論会をしたり、京都や奈良の神社仏閣にサークルで出向き「よかったら、私たちが案内しますよ」と、観光中の外国人に話しかけて発音の訓練をしたり、アメリカの大統領のスピーチを録音したテープを聞きながら、その真似をしてみたりしていました。ただ、ネイティブスピーカーに教わって、ということはなく、あくまで自発的なものでした。
ニュージーランドとの関わり
94年の10月にワーキングホリディでこの国に来ました。その時点で年齢が30歳になっていましたので、旅行や休養ではなく、働こうと思っていました。最初は免税店に勤めて、その後は旅行会社のツアーオペレーターの職に就きました。その会社のサポートで私は永住権を申請しました。しかし、移民局では受理されませんでした。
 通常、その後は日本に帰って、ということになりますが、私は移民局にクレームを言いに行きました。というのも、私の大学の後輩で、学歴、職歴、ジョブオファーの内容が、私とほぼ同じという人物がいたのですが、その彼が既に永住権を取得していたからです。しかも書類を提出した時期もほぼ同じでした。どうしても納得がいかなかった私は、担当官にアポイントメントを取り、事情の説明を受けに行きました。
 初めは本当に嫌な顔をされました。「文句を言われる筋合はない」という態度を取られていましたが、私の必死な訴えに、次第に担当官の態度は軟化してきました。そしてついに「あなたの言いたいことは良くわかった。しかし、私だけの力ではどうにもできない。それだけ訴えることができるのなら、直接、移民大臣に手紙を書きなさい」というアドバイスをくれました。
 私は切々と訴えを書いた手紙を投函しました。しかし、その後、移民局からは何の音沙汰もありませんでした。
 あと少しで、ビザが切れるという時、私は帰国の決断をしました。会社にもその旨を告げ、仕事も片付け、フラットも引き払い、いよいよ出発となった時に移民大臣からレターが届きました。「事情は良くわかりました。特別措置として、今のワーキングホリディビザをあと6ヶ月延長しますので、その間にもう一度、申請してください」という内容でした。出発の2日前です。あと少しその手紙が遅く着いていたら、今、私はここにいなかったかもしれません。
当初の英語(Reading)
大学卒業後、就職した会社では海外勤務ができるように入社時からアピールしていました。その甲斐あってか、シドニーオフィス開設の時にオーストラリア勤務になりました。それが、ちょうど25歳のときで、そこから英語の勉強を改めて意識し始めました。もちろん、それまでにも英語に触れてはいました。大学生の時にはラジオの海外短波放送や、テレビの音楽番組を録音、録画して何度も見たりしていましたし、当時では珍しい音声多重放送が聞こえるスピーカーを通信販売で取り寄せて自分でテレビに取り付け、ノイズだらけの英語に耳を傾けたりしていました。しかし、それらはすべて、好きの延長線上にあるもので、腰をすえて勉強というわけではありませんでした。
 シドニー勤務で英語の社会に入り、こんなチャンスは滅多にあるものではないから、十分に利用しようと思いました。
 まずは、会社で取る新聞を、日本の英字新聞「The Japan Times」にしました。日本の情報だからこそ、英語にしようと思ったのです。どうしても読みたいことですから、必死になります。そうやって英語に接する機会を増やすような状況を作り出しました。
 また、本をこれまで以上に読むようにしました。読書量を増やすことで、自然な英語の表現を潜在意識の中に入れ込んで、それがやがて勝手に出てくるくらいにしようと思ったのです。そうですね、コップ(頭)からきれいな水(英語)を出せるようにするには、まず空のコップにきれいな水をいれておかなくてはなりませんよね。英語がそれもネイティブによるネイティブのための自然な英語が、自然に口から出てくるようにしようと思ったのです。日常生活を送るにしても、仕事をするにしても、まずは正しい言葉を知る必要があります。もちろん年齢的なこともあります。正しい英語を使えないうちからくだけたスラングを覚える必要はないと思っています。そうすることはむしろ危険であるとさえ感じています。時と場所をわきまえた上で自然にスラングを使えるようになることも有益ですが、外国人である我々にとっては、まずビジネスでも通用するしっかりした表現を学んでおく必要があるのではないでしょうか。
仕事での英語(Writing)
 96年からニュージーランドでビザのコンサルティングと日本語アシスタント教師派遣の仕事を始めました。それと同時に、英語を書くという機会も圧倒的に増えました。私にとって、新しいビジネスのセットアップでした。
 仕事柄ということもありますが、私が意識したのは英語の表現ではなく、言葉も内容も相手に正確に伝えるための、英語での思考法でした。日本文を作ってそれを英語に直すということではなく、初めから英語で考える必要がありました。
 特にビザの関連で移民局に提出する書類では相手のオフィサーも忙しいですから、リファレンスレターなどを何枚も読ませるわけにはいきません。また法律に関する文書作成では、文中から感情を排除しなければなりません。「この状況をお察しください」とか「こうしてもらわないと困ります」などの書き方ではNGです。事実と、要求の接点を相手にいかにわかりやすく伝えるかがポイントです。ですから、日本語をそのまま訳した英語では意味は正確に伝わりませんし、相手も読みにくいと思います。
 自然でかつ、内容のある英語を書くには、やはりネイティブによる多量の文章を読んで、常に正しい英語を頭に流し込んでおくことが大切だと思います。また、誰にでも理解出来る簡潔な文章を書けるようになることも大切でしょう。例えば「If」と一言で書けるところをわざわざ「In the event of 〜」としたりする人がいますが、英語の思考の中で、状況に応じて選択する必要があります。
生活での英語(Speaking / Listening)
 英語の思考や構造を頭に入れるためには、テレビやラジオの他に、ビデオを利用しました。時間の長いものでは映画のビデオ、短いものではラグビー選手のヒーローインタビューなど、一本につき20回以上は見ています。そこで100%理解できるようになるまで繰り返し見て、文をそのまま頭に落とし込みました。そして、その後にまったく同じフレーズを同じように自分で発声して、完全に自分のものにしていました。
 大学生の時にも英語に多く触れることを意識していました。しかし、今から思えば当時の勉強法はやはりとても甘かったように思います。ひとつの題材を使って勉強しても、その内容が「ある程度」わかった時点ですぐにまた次の教材なり題材に移ってしまっていました。つまり、ひとつの教材を「完全に消化」しないまま次へ次へと進んでいた訳です。そこで、力がついたような錯覚に陥っていたところ、実際にはモノになっていなかったということを自覚するようになったのです。
 同じものを何度も聞いたり、本を多く読むことは、野球で言えば素振りみたいなものだと思います。つまり大学時代は、力試しのようにゲームで色々な球を打っていた、自分のフォームができていないのにバッティングをしていたのです。それでも、ヒットは打てるし、たまにはホームランも出る。しかし、それは自分が打とうとして出たものではなく、偶然に当たってしまったものが多かったように思います。
 1つの英語の録音テープを繰り返し聞き、真似をして発音することは素振りです。それは体で、英語の構造や思考パターンを覚えて、どんな英語が投げられても綺麗に打ち返せるようにすることだと思います。そういった基礎をしっかりと固めることで英語が自分のものになっていくのではないかと思います。ですから、これからも正しい英語を多く吸収し、実際にそれを使うことを続けていきたいと思っています。
松本さんの英語上達ポイント
1. 空のコップからは水は出ない。まずは英語を頭の中にできるだけ多く入れること。
2. 入れる英語はまず一般的で素直なものを。スラングはその後で。
3. 素振り100回。繰り返し同じものを読み、聞き、それを自分の言葉として発生できるまで練習し、頭に英語の構造、思考パターンを叩き込む。
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