通訳翻訳家 / クラフトアーティスト 英語の達人、その秘訣
E-CUBE
通訳翻訳家/クラフトアーティスト
小さなことでも忘れる前に辞書を引くことです。かならず言葉は広がっていきます。
佳子・ルーフィウ
Interpreter / Translator / Craft Artist
クラフト・アーティストであり通訳・翻訳家。結婚前は英語力を使って通訳やホスピタリティー関連の仕事を大阪、東京で務め、結婚後オークランドで撮影のコーディネート会社を設立。その後、静岡県西伊豆のホテル開発プロジェクト参加のため帰京。ホテル・オープン後はコンサルタントして独立。福島県裏磐梯のホテルを始め、ホテルやレストランなどホスピタリティー事業における市場調査開発計画、企画、サービスの教育訓練プログラムの開発および実施にかかわる。その後東京にある外資系のPR会社でアカウント・エグゼクティブを務め、97年ニュージーランドへ帰国。帰国後、国際結婚をした9人の女性のエッセイ集『男は舶来』(学陽書房)に執筆。
オークランドの西、ワイタケレでクラフト・アーティストとして活躍している佳子ルーフィウさん。和紙を使った彼女の作品の「ともしび」ランプは暖かな光を放っている。
佳子さんは通訳・翻訳家としてのもう一つの顔を持っている。
彼女は帰国子女という英語を覚えるには恵まれた環境に育った。しかし、それだけでは今日までには到らなかったという。それは今現在、英語の社会にいる我々にも同じことが当てはまる。周りが英語という環境に甘えることなく語学力を身につけるためには努力が必要だと語る。
ニュージーランドとの関わり
 夫のTUIと出会ったのは東京でした。当時の私が持っていたニュージーランドに対する印象は緑と羊しかありませんでした。結婚を決心する前に1ヶ月ほどニュージーランドを訪れたときは、こちらの英語のアクセントや俗語、方言などにふれ、一言に英語といっても使われている所によってその種類の多さにびっくりしました。
 その1年後、結婚式をこちらで挙げ配偶者のビザを取得、3年間住みました。その後、日本に戻り8年間東京で仕事をして、5年前再びニュージーランドに戻って来ました。
 現在はクラフト・アートと通訳・翻訳の仕事をメインにしています。私はアートと呼ばずに『クラフト・アート』という言葉を使っています。これは芸術的なモノを創造するということではなく、実用的で、使う人が心地よくなるものを創りたいと思っているからです。だからクラフトなんです。
当初の英語
 子供の頃、父の仕事の関係で小学校3回、中学4回の転校を経験しました。中学生最後の転校先が香港の日本人学校でした。英語の授業は日本人の先生から週に1時間だけ受験英語を習う以外は毎日1時間ずつイギリス人の先生による英会話の授業でした。私にとって、本当の意味での英語との出会いはこの頃になると思います。
 卒業後は香港のアメリカンスクールに入学。英語の基礎を築く勉強が始まりました。父の転勤で香港に来たのですから当然、家族と一緒に日本語の環境で暮らしていました。そこで学校以外でもなれるためにカナダ人とスイス人のカップルの家にホームスティをしました。言いたいことがあるのにうまく言えないというジレンマを抱え、何を言われているのかわからないことの方が多いなかで、1日ひとつでも新しいフレーズを自分のものにするよう努力をしました。そして英語を使えるようになるのだったらネイティブのようになりたいという目標を持ったのもこの頃です。「英語を喋るモデル」を探しては観察する毎日でした。
 今にして思えば、基礎を築くこの段階で役に立ったことは、とにかく単語とフレーズを覚えたら、すぐに使うということでした。わからない単語は面倒だと思わずに調べることです。
 この頃は英英辞典を使っていました。国語辞典を使ってわからない単語を調べるように、英語も同じことをするのです。つまり、英語の単語に日本語の意味を持たせるのではなく、英語の意味で覚えるということです。また、英英辞典を使うことで調べた単語を別の英単語で表現することもできるようになります。そして、新しい単語やフレーズは早く使って自分の言葉にすることです。
仕事での英語
20歳の時に帰国して大阪で通訳業務を含む支配人秘書の仕事に就きました。5年間の香港生活の後ですから英語を喋るということに不自由を感じていませんでしたが、仕事を始めて私の英語力がまだ幼稚だったということに気付かされました。
 私たちが普段使っている言葉というのは年齢や職場など、おかれている環境や話をしている相手によって違ってきます。学校で友達と昨日見たテレビの話をしているのと、職場で上司と営業の話をするのとでは、使う単語も言い回しも違ってきます。
 社長の通訳をすることも多く、仕事という新しい環境で使う単語やフレーズ、そしてビジネスで通用する語学力を身につけることが急務となりました。これは英語だけではありません、日本語でも同じことでした。学生のおしゃべりや日常会話は職場では通用しませんからね。
仕事での英語テクニック
 とにかく、辞書を使って調べることです。わからない単語は辞書を引き、一度でもいいから頭の中にインプットします。単語の絶対数を増やすことですね。まったく知らないということと、一度覚えたけれど忘れているということでは大きな違いがあります。
 それから英語を使う機会を多く持つことです。言葉は意思伝達のために必要な道具です。道具は使わなければサビついたり、使い方を忘れてしまいます。どんなにいい包丁でも使わなければ切れ味が悪くなり、使い方がぎこちなくなったりします。いい道具を持っていても、しまっていたのでは意味がありません。使って、使いつづけるから上手になり、自分のものになっていくのだと思います。言葉も同じです。
 そして私にとっては真似をすることも重要でした。高校生の時には鏡の前で自分に向ってその日一日あったことを英語で話す練習をしていました。ネイティブのように発音をするための唇や舌の使い方、顔の表情、ジェスチャーや表現方法を練習しました。これは英語を自然に使っている自分を演出するということでもありました。
中学までは日本で育ちましたから、英語をネイティブらしく話そうとすると表情やジェスチャーが大げさになってしまうようで抵抗がありました。でも練習をすることで自分を慣れさせていったのです。道具をうまく使うためには上手に使っている人をよく観察し同じようにすることです。「唇をあまり動かさない」日本語と「唇をかんだり、舌を丸めたり」して使う英語の違いは、練習を積んで体得していきました。当然ちゃんと発音をしなくても通じることは多いです。でも私はネイティブのように使えるようになるという目標を持っていたので練習をしました。た。これは英語を自然に使っている自分を演出するということでもありました。
中学までは日本で育ちましたから、英語をネイティブらしく話そうとすると表情やジェスチャーが大げさになってしまうようで抵抗がありました。でも練習をすることで自分を慣れさせていったのです。道具をうまく使うためには上手に使っている人をよく観察し同じようにすることです。「唇をあまり動かさない」日本語と「唇をかんだり、舌を丸めたり」して使う英語の違いは、練習を積んで体得していきました。当然ちゃんと発音をしなくても通じることは多いです。でも私はネイティブのように使えるようになるという目標を持っていたので練習をしました。す。「唇をあまり動かさない」日本語と体全体を使う英語の違いを、身を持って体験することが勉強になったのだと思います。こうして基礎を構築した後はとにかく使う機会を持つようにしました。英語はコミュニケーションの道具です。道具である以上、使わなければサビついてしまいます。どんなに切れ味のいい包丁でも放っておけばサビついてしまうでしょう。それにどんなにいい包丁を持っているからといってオイシイ料理ができるわけではないと思います。どんどん作るからおいしい料理を作れるようになるわけですから。


英語上達への信念
ちょうど東京で通訳・翻訳の仕事が波に乗ってきた時です。毎日新しい単語が必要になっていました。この頃に使っていたのは英英辞典ではなく、英和辞典でした。私の頭の中には日本語のキャビネットと英語のキャビネットの2つがあります。日本語で覚えたことと、英語で覚えたことはそれぞれ違うキャビネットにあります。2つをつなぎ合わせるという作業、そしてしっかりと区別する作業、この作業がとても重要だと思っています。それを怠れば日本語と英語が頭の中で混ざってしまいます。日本語で話をしていて、ところどころ英単語を混ぜて話すことは絶対にしたくないと思っています。それでは通訳失格ですからね。英和辞典はそのために必要となります。英語で覚えた言葉を正しい日本語で理解するためです。和英辞典を使っての逆も然りです。
英語と日本語を使い分けてこそバイリンガルだと思っています。それには2つの国の言葉に同等の力がないと成立しません。しかし、いつもどちらかが先行していってしまうので、両立させるのは難しいことです。今は英語に接している時間が長いため、家ではなるべく日本語のテレビ放送を流しています。耳から日本語を入れているのです。アナウンサーが話す正しい日本語は勉強になります。
私はいわゆる帰国子女です。ですから普通の環境にくらべれば英語ということに関しては少し有利だったのかもしれません。ただ、だからといって英語で苦労していないというわけではありません。英語と日本語の両方のバランスを取るためにはそれだけの時間と努力が必要になります。ですから、これからも辞書を引き続けると思います。徹底的に調べる、それが今の勉強です。私にとってこの作業は英語と日本語のバランスをとるために、欠かせないことですから。そしてこれは一生続くと思っています。
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